レシェルコラム
あなたはまだ、『食べないダイエット』続けますか?
ファスティングに断食、炭水化物抜きダイエットなどのいわゆる「食べない」ダイエット。
現代の飽食の時代、摂り過ぎたものを節制するために、今度は食べない。
こんな事が当たり前になっている今の時代。冷静に考えると、なんともおかしい食生活である。
既に50年以上も続いているダイエットブーム。
新たなダイエット方法が出ては消え、また新たなダイエット方法が出る。
今まで世の中に出回ったダイエットで、一体どの位の人が痩せられたというのだろうか。
炭水化物抜きダイエットで瘦せる人、瘦せない人
即効性が評判の『炭水化物抜きダイエット』。私も過去に試みた経験がある。炭水化物さえ食べなければ、他の食材は何を食べても良い!と聞いて、「何て簡単なダイエット!!」と思い、即実践してみたのだ。
一食目、問題無く炭水化物を抜いたものの、二食目で我慢出来ず、二食目であっさりギブアップ……。
「なんて、根性がないんだろう」と自分を責めた。
しかし冷静になって考えてみると、今まで好きなように炭水化物を摂取しても、そのせいで太ったと感じた事は無い。
むしろ、食べていても体重が減ったこともあった。
しかし、炭水化物を抜いて、やせる人もいる。
これは、一体どういうことなのだろうか。
食べる事は無駄ではない!
私の友人が、ある時語った事を思い出した。「私が、最終的に目指しているのは、『不食』という生き方なの。」
つまり、食べ物を摂取しないで生活することである。
私は、驚いた。
何でも、「不食になれば集中力が鋭くなり、疲れにくくなる。食事を作ったり、食べたりする時間が要らなくなる分、時間もたっぷり取れるようになる」とか。
何だかんだと夢のような話だと私ですら一瞬思ってしまった。
しかし、直ぐに疑問を感じた。
「人にとって食べる事は無駄な事?」
言ってしまえば、そんな風に言われているような感覚にもなった。
食べることの意味は生きていくためのエネルギー補給だけではないはずだ。
コミュニケーションの一つとして、和やかな場には、それに相応しい食べ物が必ず有る。
食べない生活は、それほどまでに魅力的な生活なのだろうか。
「美味しい」の裏側には幸せがある。
不食を望む私の友人は、今までに、マクロビオティック、ファスティングなど、あらゆる健康法やダイエット方法を試みてきたと言う。しかし「どの方法も制限がきつく、日常生活を送りながら続けるのは難しい。
だったらいっそのこと、食べなくて良い『不食』を選んだ方が簡単ではないか」、と言っていた。
多忙な毎日の生活の中、食べるものや食べる事ばかりに時間を費やし、より痩せそうなダイエットを求めて、情報を追いかける。
しかし、どれを試しても結果が出ない。
友人は、世の中の情報にふりまわされて、疲れきっているのである。
しかし私は思う。『美味しさの後ろ側には幸せがある』と。
日本の古代から根付いている稲作農業。米以外の食料はほとんどなく、米を収穫できなかった年には、飢え死にする人が沢山出たという。
その時代に生きる人たちの喜びは、食べられる幸せであったはずだ。
家族との楽しい語らいを楽しみながら、じっくり味わい食べる和やかな食卓。
心が満たされると身体も満たされ、例え少量の食事でも満足できたのではないだろうか。
「美味しい」と感じる感覚は、私たちの生きるために幸せを運んできてくれる。
「食べない」ダイエットを続ける事で、幸福感を感じられる事が減ってしまうとしたら、勿体ないと思いませんか?
美味しさの後ろ側には幸せがある
自分の中の美味しいと感じる「感覚」を養い、一生大切にしていくこと、これこそ、私たちが生きていく糧になっていくと感じている。
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